花夢電科雑多猫

■LEGOで自動スキャンマシンを自作する

題名: フラット型スキャナを用いた自動スキャニング機構
公開日: 2006年6月4日
制作: (C)菅野

自動スキャンマシン GIF動画 1.94M【従来】
本や紙など、手で一枚一枚スキャンする。マジで面倒くさい。
 ↓
【この機械】

今まで手作業でやっていたスキャン作業を
自動的にやってくれる機械です。


絵や漫画は本の背を切り開いて一枚一枚 手作業で スキャンすることが多いです。
そんな面倒なスキャン作業を解消します。

正直、完成するとは思ってなかった。
脳味噌コネコネすれば結構できるもんです(^^)

追記 08/10/14 自動スキャンマシン 次世代版作りました!

動作動画
Download

scansys_allmini.wmv
(1分30秒 3.39MB)

スタート時以外全く手を触れていません。
1枚しかスキャンしてませんが
この後もずっとスキャンし続けます。

 

 

 

 

■特徴

■類似品

すでに紙をスキャンする良い装置が市販されています。
カラー イメージ スキャナ ScanSnap : 富士通
4万円程度

手作り全自動ブックスキャナ - 21世紀物理のおもちゃ箱
ここに触発されました。ページ自動めくりでやるすごい装置です。
しかも機構はLEGO!

 

 

■デメリット

 

 

 

あ、デメリットの方が多くない!?

○| ̄|_

 

 

 

それでも説明見てやるぜ!という心優しい人だけ下へスクロールどうぞ・・

 

 

■なんでこんな物を作ったの?

単に手作業でスキャンが面倒くさかったから(笑)
雑誌とか漫画が減らさないと実家住まいの長男としてはなかなか心苦しいところ。
スキャンしてどんどん減らしたいのです。

あとはLEGO好きなので☆

 

 

■使用部品

パソコン(自作)   OSはwinXP
プリンター Canon PIXUS iP4100 紙を1枚ずつ給紙できればなんでも
スキャナ EPSON GT-7200U 奇遇にも手作り全自動ブックスキャナの物と同じです!
LEGO MINDSTORMS RIS2.0  
LEGO 青いバケツ    
生活雑貨 ガムテープ
セロハンテープ
高さ調整のための雑誌
他、スポンジなど生活雑貨
家庭にある物で十分です

装置全体でこんな感じです。 こたつはオプション( ´∀`)

■費用

パソコン お手持ちの物を windows2000以上ならなんでも。
プリンター お手持ちの物を 紙を1枚ずつ給紙できればなんでも
LEGO MINDSTORMS 2万5千円程度  
LEGO 青いバケツ 3千円程度  
他 生活雑貨   ガラス板、ガムテープなど

LEGO 趣味のない方は最低でも2万8千円は必要ですね・・

■時間

15時間程度。
制作者のLEGO慣れ具合によって大きく変わります。
私はTry&Errorで作ったので24時間かかりました。

 

 

 

 

 

 

■機構部製作方法

ScanSnapという良い商品が出ているので、これを作りたいという人はいないでしょう・・。
なので、機構部の解説と写真を載せておくだけにします。
希望者がたくさんいるようなら詳しい構造図を作るかも?

部品は以下の5つ
◆プリンター
◆送りローラー
◆左寄せ機構+右ガイド
◆左ガイド
◆MINDSTORMS

◆プリンター

普通のプリンターです。なんでもOKだと思います。
紙を1枚1枚出す機構は難しいのでプリンターを使いました。
WordPadで何も書いてない紙を印刷する、という方法で紙を1枚送り出します。
今回使ったPIXUS iP4100 というのは紙の出口に邪魔な突起があって紙がまっすぐ送りだれません。
微調整でクリア。ほんっと面倒なプリンターです。

◆送りローラー

プリンターが紙を一枚送り出した後、タイマーで動かされます。
給紙して、スキャン後は逆転。排紙を兼ねます。

上下に自由に動き、送りローラー部の重量で紙を押さえます。
そのため、紙の押し圧を変更したいときは重量を変えればOKです。

◆左寄せ機構+右ガイド

分解動画 412kbyte

スポンジ押し上げカム

モーターのシャフトにスポンジが2本つけてあって、回転するごとに紙をチョンチョンと
左に押し出します。
押し出すとき同時に送りローラーをカムで押し上げます。
光センサー 光センサーでいつも定位置でストップさせます。
右ガイドはその名の通り右側紙の位置を決定します。

 

◆左ガイド

普通にまっすぐのガイドだと紙の繊維がブロックの隙間にからまって詰まってしまいます。
斜めに配置。角で紙を押さえることで紙詰まり解決しています。

◆MINDSTORMSコンピューター

送りローラーと左寄せ機構を制御します。
MINDSTORMS付属の IRタワー という赤外線遠隔操作装置でプログラムを始動します。

◆機構部のポイント

● 位置エネルギーの利用

紙を上から流し込み、下へ落とすことで排出します。
これによりモーターの使用数を大幅削減できました。
そのかわり、プリンターをものすごい角度で設置(笑)
スキャナも傾けています。
この角度の微調整でスムーズに動くか決まります。

● 左右ガイドの押さえつけ

ガイドはLEGOで構成されています。
軽いので紙が下に入り込んでしまうこともしばしば。
各ガイドにつき、位置2点。それぞれ 500g の力で押さえつければ紙が下に入り込まないことが実測でわかりました。
そのため、大きいガラス板を設置。(粗大ゴミで転がっていたテレビ台の扉です)
約2kgの鉄アレイを乗せています。
ガラス板を選んだ理由は「堅いので歪まない」「その辺の板より平面度が高い」の2点。
見た目にも透明で動作がわかりやすいですね☆

 

 

 

 

 

■制御部 制作方法


UWSC Ver 3.1bというフリーソフトを使って、パソコンですべて制御しています。
このソフトはマウスの動きやキーボードの動きをすべてそのまま記録してくれて、
再生ボタンを押せば全く同じように自動で動いてくれます。

しかもウインドウの位置とかも合わせ直してくれる!
プリンターやLEGO、スキャナの操作を一連手動でやれば、あとは同じ操作をやってくれます。
本当に便利です。

◆処理の流れ

プリンターで白紙を印刷

数秒後 LEGO MINDSTORMS に「実行」の命令を送る
(IRタワーにより遠隔から命令を送れます)

数秒後スキャナの「取り込み」ボタンを押す

スキャナ走査秒数経過後、LEGO MINDSTORMS のタイマーにより
送りローラーが紙を排出。

取り込んだ画像をとりあえず表示。
(パソコン前に人がいる場合、動作確認のためです)

数秒後、画像を閉じる

最初に戻る


この作業を一度手動で UWSC に記録。
あとは UWSC に自動でやってもらいます。
繰り返しには UWSC のスクリプトに FOR 文を追加。
スキャンしたい物が10枚の場合

FOR I=1 TO 10
 :
 記録・保存させたプログラム
 :
NEXT

と、FOR と NEXT を最初と最後に追加するだけで
10回自動的に動きます。

Iはカウンタ変数、最初に1を入れておきます。
TO の後に続く数字は繰り返したい回数です。
NEXTという分は、FOR まで戻る、という意味です。

◆LEGO MINDSTORMS に書き込むプログラム

プログラム中画面以下のプログラムです。参考にどうぞ

prog00.zip (613byte)

流れとしては

送りローラーを数秒正回転(紙の長さによる)

左寄せ機構を1セット動かす

送りローラーを0.5秒ほど正回転(左寄せ振動でずれた分を正す)

左寄せ機構を1セット動かす(念のためぴったりくっつける)

送りローラーを0.5秒ほど正回転(左寄せ振動でずれた分を正す)

スキャン完了まで40秒ほど待つ

送りローラーを逆回転

紙の位置検出などやってないので全部タイマー動作。
だから微妙な摩擦などの影響で失敗率が 50% くらい。非常に失敗しやすいです・・・。

◆左寄せ機構の制御詳細

以下の作業を1セットとします。

1秒ほど回転させる

一瞬回転を止める(滑降)
(これにより速度を落として光センサー検出させやすくします)

速度1で回転再開
 →回転の終了条件:光センサーがONになったら。
 →停止モード:ブレーキ

光センサー止めたい角度の所に紙を貼り付けています。
紙の位置でセンサーから出る光が反射しセンサーON。ピッタリ止まるようになります。
スポンジとカムが両方水平になる位置で止まるようにしています。

◆連続して取り込むにはどうするの?

StompBox/Scan というソフトを使っています。
TWAIN 機器から連続して取り込んでくれるソフト。

わかりやすいソフトなので、
使っていれば操作とかわかると思います〜。

 

 

■この機構・技術の使用条件 並びに 著作権について

著作権は、私「菅野」が保有しています。
しかし、このページで紹介している機構とプログラムは「フリー技術」として公開しています。
使用にあたり下記に示す制限に同意した上でしたら、
個人使用・商用を問わず原則自由に利用していただいてかまいません。

【このページで公開する技術の使用制限】

■おわりに

すぐに作り替えLEGOでこれだけの機構を作れる。
それだけでもびっくりです。
なにより

  うまく動かなかったら、すぐに他の構造に作り替え

が手軽。
ベニヤ板や鉄板など、普通の素材で作っていたら作り替えなんてものすごく時間かかりますから。
個人で機構遊びするにはLEGO最高です。

あと、プログラムのわかりやすさ。
これは秀逸!
今まで触ってきた言語の中で一番使いやすかった。
さすが MIT (マサチューセッツ工科大学) が関わっているだけあります。
これ、工業用シーケンサとしてもかなり優秀だとおもいますが・・

 

このHPで紹介している機構。
著作権の扱いをどうすればいいか悩んでしまいました。

本当はGPLとして公開したかったのですがなかなか制限が多く難しい。
しかも日本国法律では著作権を放棄できないのでGPL自体の存在が曖昧。
なので「フリー技術」という言葉を使わせて貰いました。
余計曖昧になっているかもしれませんが(^^;

写真撮影のため、がんばって支えてます

 

 

このページ。
見ている人は かな〜〜〜り 少ないと思います・・(泣)
作る人はもっと少ないと思います。
でももし、見て、「作ったよ!」という方いましたら是非ともメール下さい。
大喜びしてみせます(笑)

 

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