PC用液晶モニター [ LCD-A16H ] の修理

 

会社の人からジャンクの液晶モニターを買い取りました。
I/Oデータ製、パソコン用液晶モニター LCD-A16H です。

※LCD-A15C LCD-A17C でも同じ方法で修理できそうです。

左側のやつ。
右のノートPCと同じ画面が表示されてるハズなんです。

横線の砂嵐みたいのが出てます。
愛と勇気で 修理してみました。

勇気リンリン!

どうせ誰も見てないよね?
だから、いい加減な文章です。
刑事ドラマ風でいくぜ!

 

 

■目次

 

■症状・仮説を立てる

修理するには、まず症状の観察ってもんだぜベイベ。

○ 画面に横ノイズ。
○ 暖まると直る。
○ 2・4・8・16・・・・ と画面が縦に分割される。
○ 衝撃で症状変化はない。

一番のポイントは「熱で直る」ってことか。ふむふむ。
ドライヤーをじっくり当てたら、即直った。

これらの結果総合すると

ってこと。

つまーーーーり!
最終デジタル処理がおかしい!
で、分周回路とか信号生成回路がおかしいってえわけよ。
犯人はお前だーーーーーーー! という仮説が立つ

[ 液晶モニターの回路構成 ]

ビデオカードからの信号を入力   ←(゚∀゚)問題ナシ!

増幅                  ←(゚∀゚)問題ナシ!

A/D変換                  ←(゚∀゚)問題ナシ!

画面データをメモリに蓄積    ←(゚∀゚)問題ナシ!

モニターコントラストなどの表示調整と統合演算   ←(゚∀゚)問題ナシ!

液晶パネル向けに、画面データからラスタ信号生成   ←(゚听)イカれてる

液晶パネル表示のための信号増幅    ←(゚∀゚)問題ナシ!

 

 

■仮説の検証

つーわけで分解。

 

サクッと分析。

LSIの名前読んで、置き方見て、勝手に判断。
適当に勘だけど。

 

同期信号作成部に集中してドライヤーで暖めると、見事直る。
他の部分は、暖めても影響なし。

つまり、仮説は合ってたってわけだぜ!イェイ!

 

 

■犯人を追いつめる

じゃあ次。
どの素子が劣化しているのか検証。

同期信号作成部の拡大写真。

このLSIと、周辺部の素子の温度を変えてみる。
温度を変えて変化が出るようなら

「お前が犯人じゃ!」

と言えるわけだ。

 

 


さて、じいちゃんの名にかけて犯人を特定するわけだけど・・・。
チップ部品一個一個の温度をどうやって変更するか?
結構悩んだ。

で、思いついたのが、これ

氷に楊枝を刺した物。
楊枝を小さいチップ部品に押し当てて、温度を下げる、ってえ寸法よ。
楊枝には水がしみこんでいるから熱伝導率もそこそこ良いし。

素子温度を下げる → 表示がおかしくなる → その素子が悪い

と言える。

使うときは氷を布でくるんで、
水がこぼれないようにしましょう。

 

ひとつひとつに氷楊枝を押し当てた結果!!!!
犯人を追いつめたぜ!

(1) と (2) が犯人でした。(3)は後述
こいつらに氷楊枝を押し当てると、途端に画面がおかしくなる。

 

複数犯による計画的な犯行です。
犯行は卑劣で情状酌量の余地無しと判断。

判決。死刑!

 

じゃなくて、部品交換ね♪

 

 

■犯行の手口を探ってみる

即部品交換しちゃっても良いんだけど、交換しても直らなかったら・・・・?

よくあることです。

となると、壊れたメカニズムとか、こわれて『どこが不具合になったか?』を
知っておくと良いのです。
そこでポインツになるのが・・・

この黒いLSI。

こいつの周辺回路として(1)(2)などのチップ抵抗。
他、コンデンサがある訳なので、LSIの使用目的を探します。


このLSI には

Y2933

と書いてある。
その左下には こんなマーク。
これは Texas Instruments 社 のマークであります。半導体製造の大御所ですな。

で、Texas Instruments 社 のHPに行って、データシートを探してきました。
キーワードは Y2933 。

結果、TLC2933 という製品名でした。
頑張って英文データシートを読んでみる。

description
The TLC2933 is designed for phase-locked-loop (PLL) systems and ・・・
from TI TLC2933 Data sheet

PLL発信LSIらしい。よくわからんのだけど、正確な周波数を出せる
とってもありがたい物らしい。
最近のラジオがデジタル化できたのも、PLL技術のおかげとかなんとか。

 

で!
データシートを読んだ所、代表的回路が載っていて、これと一致。

from
TI TLC2933
Data sheet


 

ピンク色で示した部分。これらのうち2個が壊れた電子部品に該当してる。
英語に苦戦しつつ、データシートさらに読解。

C1 C2 など、記号で示されたこれらは、ローパスフィルターを構成しているらしい。

from
TI TLC2933
Data sheet


へ〜。
よくわかんないけど、これらが犯行の手口。

直接周波数を生成しているわけじゃないけど、なんかフィードバックでもかかっているのかな?
その辺の周波数生成が熱でズレて 、分割表示になったのだろうね。

 

■犯人死刑! じゃなくて部品交換♪

部品を交換します。

よく読んでみると
(1) 751
(2) 271

ってえ書いてあるじゃねえか!

新米刑事 『親分!ホシの名前が割れましたぜ!』
親分 『おう!なんだ言ってみろ!』
新米刑事
『751、これは 75 に10の1乗。
つまり、750って意味ですぜ!
形から見て、ホシは炭素抵抗っぽいですぜ!
つまり 750Ω抵抗ってことっすよ!』

親分
『てえことはなにかい?
(2)は270Ω抵抗って事かい?』


そういうこと。

750Ω と 250Ω の抵抗を交換すれば良いんです。
ええ、しました。
仕事柄、サクッと入手できるんです(^^;
秋葉原や通信販売でも、1個10円以下で売っているので入手可能。

 

 

ええ、交換しました。

はんだごてで。

 

 

 

 

 

直らなかった・・・

 

 

 

 

症状変わりませんでした・・

 

 

■がっくり

事件捜査に失敗した・・。

誤認逮捕。
しかも善良な部品を死刑・・・じゃなくって交換してしまった。

ええ、記者会見を開いて捜査が悪かったことを詫びました。
外した電子部品に頭を下げ、慰謝料も支払いました。

 

しかし、ここで諦めてはいけないのです!
事件解決をしなければ!

そう

いつだってそう

 

電子回路も

恋の悩みも

 

答えはいつも

 他の場所にある!!

 

 

 

■ボスを捕まえるぜ!

操作の基本。
それは
迷ったら犯行現場へ戻ることだ。

犯行の手口をもう一度見直してみます。

犯行現場写真はコレだ。

犯行の手口はコレだ

テスターで回路と部品の関係を調べてみる。
(1) は R1 らしい。
(2) は R2 らしい。
C1は LSI の隣にあるオレンジ色の小さいチップコンデンサ。
C2は(3) 。C2は・・・大きいな・・。

 

犯行方法はLPF(ローパスフィルター)という手法。
最近流行のサムターン回しとか、オレオレ詐欺とか、そういうやつです。(ウソです)

 

まあ、手口はLPFで確実だろう。
となると・・・
思考します。

○熱をくわえると変化する。
 つまり、熱でLPF特性点が変化している。

○特性点が劣化で移動している。

○R1とR2を熱変化させたら影響が出た

○しかし、R1R2を交換しても症状に変化無し。

となると

○C1 C2 が劣化している

と言える。

 

問題は

熱劣化しているのは、C1 C2 どちらか?

 

おそらく(3)のC2が劣化していると考えました。

推測の要因は

 

(3)は電解コンデンサである。
中身が蒸発しやすく劣化しやすい。

 

ボスはでかい(笑)

 

の2つです

 

さて、ボスの(3)には

1

50G

104

と書かれている。
コレはおそらく、

104 = 10の4乗

1 = 係数は 1

50G = 耐圧?

104というのはコンデンサによく出てくる数字で、0.1μFのこと。
係数1だから、 0.1μFと推測。

 

 

【追記】2008/2/24

0.1μFではなくて、1.0μFらしいです。
でも、0.1のままでも動作にはあまり問題はないようです。
メールで指摘していただきました。ありがとうございます!

 

 

さて、交換。

 

同じ部品がないので、電解コンデンサではなく、積層セラミックコンデンサを使用。
違う部品だけど・・・まあ、壊れたら壊れるだけでしょ・・。

真ん中に見えるところ。
チップ部品に乗せ変えました。
見づらいなあ・・。

 

さて、パソコンに繋げてみます。

 

 

 

■直った!

 直ったあ!!

 

 

ボスを捕まえました

 

やはりボスは電解コンデンサでした。
こいつだ ↓

ボスはでかい。

昔からのお約束ですな。

 

 

■捜査を終えて

藤田まこと なら、事件解決後は
飲み屋に行って変なママとお話しします。

しかし私は酒が飲めないので

特に何もすることなく、夜が更けるのでした・・・。

 

 

 

初液晶モニターは
文字が細かくて見やすい〜〜〜 ゚;+.ヽ(´∀`)ノ.+;゚

 

 

 

それにしても、見にくいページだなあ・・。
どうせ誰も見てないから良いけど。

 

【追記】 2008/2/24

と思ったらたまーにメール頂くようになりました!とっても嬉しい!!!たまーーにですが。ネットの辺境なので(笑)
この記事を読んで色々なモニター修理に挑戦しようと考えている方も結構いるようなのですが・・。
正直私は考えが行き過ぎて「修理業で商売できないかな?」なんて思った人間です。

オークションでジャンクモニターを買いあさり修理してみましたが
このHPで紹介している方法では成功率 50% 程度でした。(効率悪くて商売にはなりません・・)

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更新 2005-12-20

誰も見てないかな?と思ったら、この記事を紹介いただきました!

 Dynaの秋葉原ジャンクパラダイス

PCパーツやジャンク品の修理レポートなど貴重な情報満載です。
修理好きな方、是非どうぞ〜

 

更新 2008-2-24

コンデンサの容量間違え。
成功率50%。
の文章を追加

動作報告いただいてます

2009-2-12

LCD-AD17CS も同じ症状が出て、同じコンデンサ交換で修理できた。
とのご報告いただきました!

2009-6-18

LCD-A15C でも治ったとのご報告いただきました。

2010-3-29

SHARPのLL-T17A3-B でも修理てきたとの報告いただきました。
(from レオン様)

 

 

 

 

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