技術を正しく使いすぎているようです

クエン酸エッチング失敗中

【研究途中。これは失敗記事です】
友人にちょっと特殊なエッチング手法を教えてもらったのですが、色々反応式をいじっていた所、クエン酸で安くエッチングできる事に気づいてしまいました!
面白そうなので色々研究してます。
化学と電気の併せ技で面白いですよ?

■クエン酸エッチングってなに?

電子基板を自作する時には一般的に塩化鉄エッチングを行います。
しかし、塩化鉄は値段も高く一般入手が少々面倒。
そしてなにより、鉄イオン独特のグロテスク色な液体を相手にするのがちょっと気が引ける。
そこで。
エッチングをクエン酸で行う手法を現在研究しています。

■利点・欠点

研究途中ですが、予想されるクエン酸エッチングの利点は

  • 廃液が綺麗。
    アクアマリンな色
  • 非常に安価。
    材料は全て100円ショップで揃う
  • 細かいエッチングも綺麗に仕上がる。
    沈殿が発生しないため
  • エッチング状況を観察しやすい。
    液が透明なため。

予想される欠点は

  • 出来上がるまで遅い。
    塩化鉄の場合20分程度だけどクエン酸では5時間程度
  • 廃液処理は自前で行う

■システム詳細

現段階では、工業界で行われている銅精錬を応用してます。
高校化学レベルで説明できますが、不動態の生成などは大学レベルになってきます。
まだ失敗段階なので詳細説明は無し。
熱力とか考えるつもりも無いから価数とかも考慮しない。
イイカゲンです。

*登場分子

  • クエン酸 C(CH2)OH(COOH)3・H2O

    面倒なのでHn-R と表記
    (nは任意の整数。Rは H+ とくっつく陰イオンとして)
  • 銅 Cu

*陽極反応

Cu => (Cu2+) – 2(e)
電極を兼ねている電極銅。電子を吸われてイオン化

n(Cu2+) + (Hn-R) => n(R-Cun) + (nH+)
銅イオンがクエン酸と反応。クエン酸銅を生成する。
クエン酸は銅と錯体を作るらしく価数もよくわからんので、1クエン酸あたりどれだけ銅が反応してるか謎。H+ もどれだけ出るんだろう?
ともかく、ここで生成した クエン酸銅(R-Cu) と 水素イオン(nH+) は電気に引っ張られて陰極に行く。

*陰極反応

2(H+) + 2(e) => H2
水素イオンは陰極から電子をもらって水素分子化。気体になる。

n(R-Cun) => nRn- + Cu2+ 2(e) => nRn- + Cu(析出)
クエン酸銅は陰極から電子をもらって銅に戻る。析出。余ったクエン酸イオンは陽極に行く。

*陽極反応

nCu2+ + nRn- => n(R-Cun)
陰極からきた、余り物のクエン酸イオンは、イオン化した銅とまたくっついて陰極へ => 以下繰り返し

電気分解なので発生する水素にはH2Oの水素も含まれます。

■実験の設備

エッチングする基板がこれです。

レーザープリンタのトナーをマスクにして、黒い部分を残します。

反応容器です。

アリエナイ理科の教科書に倣ってワンカップ酒の瓶をビーカー代わりにしてます。

  • アノード(陽極):エッチングしたい生基板。
  • カソード(陰極):銅を析出させるための銅板を設置。
  • 溶液:クエン酸飽和1歩手前液
  • 溶媒:精製水(コンタクトレンズ用)水道水は塩素が入っているため使用不可です。
  • 溶質:工業用クエン酸

構造は中学理科で習う電気分解と全く同じです。
反応式と目的が全然違うだけ。

■試験開始

電源装置繋いで試験開始。
電圧は5Vくらいで開始しましたが、2VくらいでOKなようです。
電流は20mAくらい流れました。
当初、電圧高すぎたため不動態膜(酸化銅(II)と思われる)が生成し電流すぐ低下してしまう痛恨のミス。
2Vくらいなら不動態膜生成しないようです。

試験開始
カソードからすぐに水素が出てきました。
実際に測定したわけではないのですが、匂いもないので水素と思われます。
とても綺麗!

銅イオンの溶出を確認!とても綺麗!
ほんと綺麗なアクアマリン色です。水和状態で結晶化させたら綺麗なんだろうなー!
5分ほどでこのようになります。比重が重いのか、下に溜まってきます。
感動的な瞬間!

できあがり
1時間程度で出来上がりですが、GNDがボロボロです。
マスクで覆いましたが銅が抜けてしまいました。実験失敗。
ただ、GND以外は分離されて綺麗にパターンが仕上がってます。
問題はパターン間の島ですが、これは後々。

■結果

失敗でした。
GNDがボロボロで、あまりにひどすぎます。

■考察

電気で無理矢理電子を奪っているため積極的にボロボロになっていくようです。
トナーで作られたマスクは、微小穴があるのか、それとも半透膜なのか?
トナーはほとんどが樹脂で構成されているので半透膜の可能性高い気がします。

不動態膜は生成しないように気をつけないと。
低電圧で行うのがミソのようです。
撹拌とかはあまり関係無し。
文献によれば不動態膜自体はイオンを通過できる模様。

■今後の展開

実は2回実験してますが、電気精錬法ではどうしてもボロボロになるようです。
クエン酸&普通の化学エッチングを試す予定です。
半透膜隔壁を利用したクエン酸電気分解を利用。
pH下げたクエン酸液を作りそこで銅を溶け出させる手法です。
が、手間は塩化鉄よりずっとかかるようになりそう・・普通に塩化鉄使った方がましですね(笑

Posted in 化学, 基板作成, 実験, 電子

Comments are currently closed.